第四戦
立合い終了後
決勝戦
立合い終了後
緋雨閑丸
ふぅ・・・・・・。
やっと終わったんだ・・・・・・。
覇王丸
なんだ? 浮かない顔しやがって。
ぼうず・・・・・・いや、閑丸、か。
ハハッ、まだ言い間違えちまうな
覇王丸
それよりシャキっとしろよ。
御前試合で俺に勝った、
天下一の剣客様だろうがよ。
緋雨閑丸
あ、そうか・・・・・・。
僕が天下一なんだ・・・・・・。
覇王丸さん、それってやっぱり
すごく有名になったってことかな?
覇王丸
そりゃあそうさ。
手合わせしたいって奴が
後を絶たなくなること請け合いだぜ
緋雨閑丸
それは・・・・・・ちょっと嫌かな・・・・・・。
覇王丸
ま、とりあえず、
俺は修行やり直すぜ。
次は負けねえからな、閑丸!
―――じゃあな! また会おうぜ!
血戦
立合い終了後
徳川慶寅
―――で、随分と訳あり顔だな?
御前試合の勝者の
望みを叶えるって約束だ。
多分、力になれると思うぜ?
緋雨閑丸
・・・・・・人を、探してるんです。
僕が有名になったら、
気付いてくれるんじゃないかって、
そう思って、僕・・・・・・。
徳川慶寅
よし、任せな。話はわかった。
必ず探し出してみせるから、
大船に乗ったつもりで待ってなよ。
数日後
緋雨閑丸
慶寅さん、
今日はどうしたんですか?
何か急用だって
訊いたんですけど・・・・・・。
徳川慶寅
口説こうってワケじゃねェよ。
―――ほら、探し人を連れてきたぜ?
緋雨閑丸
儚さん!旦那さん!
無事だったんですね!!
よかった・・・・・・
ずっと探してたんですよ!
本当に、本当に良かった・・・・・・。
儚
閑丸さん、
心配をかけてごめんなさいね。
私も、この人も、無事だから・・・・・・。
旦那さん
日輪で戦に巻き込まれてね・・・・・・。
今まで療養を
余儀なくされてしまって・・・・・・
閑丸君、ひとりにして済まなかった
儚
見て、閑丸さん、私とこの人の子。
無事に産まれたの。
これからは、四人家族よ。
緋雨閑丸
はい!
本当に・・・・・・良かったです・・・・・・。
今度こそ、僕はもう・・・・・・
ひとりじゃないんだ・・・・・・。
徳川慶寅
チッ。泣かせてくれるねェ・・・・・・。
―――これにて、一件落着!
ハッハッハッハ・・・・・・!
その後
儚とその夫、そしてふたりの子を加えた
四人での生活が再び始まった。
もう二度と得られないと思っていた
家族のぬくもりに閑丸は身を浸していた。
失われた記憶に対する執着はもうない。
失われたものは、必要ないもの。
失われるべくして、失われたもの。
そのおかげで今、閑丸は
両手に余る幸せを掴んでいるのだから―――。
侍魂天下一剣客伝、対人者台詞